にんにくの効果効能、黒酢にんにくの効果効能のひとつに「二日酔い防止・改善」というものがあります。にんにくで二日酔い防止・改善が期待できる理由について解説します。
1.二日酔いはなぜ起こるのか?
二日酔いというのはお酒の飲みすぎで翌朝になっても、頭痛や吐き気、めまい、食欲不振など体調不良の状態が続いてしまうことを言います。
では、なぜ二日酔いが起こるのでしょうか?
二日酔いの原因は過度のアルコール摂取によるものです。
通常、アルコールは胃や腸で吸収され肝臓で代謝されて、アルコールはADHという酵素の力を借りてアセトアルデヒドという物質に変わるのです。
さらにALDH2という酵素の力を借りてアセトアルデヒドは酢酸に変わります。酢酸は血液によって体内を巡り、他の臓器などで分解され体外へ排出されるのです。
実はこのアルコールの分解過程の中でできるアセトアルデヒドというものが毒性の高い物質なのです。これが分解しきれずに体内に残ってしまうことで、二日酔いの状態が生まれてしまうのです。
2.にんにくに「二日酔い防止・改善」の効果がある仕組み
前述したようにアセトアルデヒドが代謝されずに体内に残ってしまうのが二日酔いの原因なのです。
アセトアルデヒドが酢酸に切り替わるときに力を発揮する酵素はALDH2というものですが、これが足らない場合にはMEOSという酵素が代わりに代謝を促進してくれるのです。
MEOSがアルコールを代謝する際にはビタミンB1が必要になります。
ビタミンB1が不足しているとMEOSでもアルコールは代謝しきれずにアセトアルデヒドが体内に残ってしまい、二日酔いの状態になってしまうのです。
にんにくにこのビタミンB1が含まれているわけではありませんが、ビタミンB1は調理過程で失われやすく、貯蔵されにくい栄養分なのです。
しかし、にんにくに含まれるアリシンという成分がビタミンB1と結合するとアリチアミンという物質に代わり、水溶性から脂溶性になることで調理しても失われにくく、血液中にも貯蔵される物質に変わるのです。
日常からにんにくを摂取しておくことで、体内にはアルコールの代謝に必要なビタミンB1が常に豊富にある状態が作れるのです。
これによってにんにくが「二日酔い防止・改善」の効果を発揮するのです。
世間的に知られている「にんにく注射」というのも、にんにく自体は入っておらず、アリチアミンと同様の性質を持つビタミンB1誘導体が主成分となっているのです。
3.肝臓への負担を軽減する効果
にんにくには
- 抗菌・殺菌作用
- 解毒作用
- 抗酸化作用(活性酸素・過酸化脂質の発生を軽減)
があるため、肝臓の負担を低下させ、肝機能を高める働きがあるのです。
肝機能を向上させる働きも、「二日酔い防止・改善」につながるにんにくの効果と言えます。
4.二日酔いの原因物質の活性酸素を減らす働き
二日酔いの原因はアセトアルデヒドですが、実は毒性の強いアセトアルデヒドが体内を損傷させるときにも活性酸素が発生しているのです。
活性酸素による炎症反応も、二日酔いのひとつの症状となってしまうのです。
にんにくには、α-トコフェノールといったビタミンEやポリフェノールという成分が含まれており、これらは活性酸素の発生を抑える働きがあります。
まとめ
にんにくには
- アルコールを分解する酵素に必要なビタミンB1を吸収・貯蔵させる働き
- 肝機能を高める作用
- 活性酸素の発生を抑える働き
があります。これらの機能が「二日酔い防止・改善」につながるのです。
にんにくの「二日酔い防止・改善」の効果を最大限活用するためには、日常的な摂取はもちろんのこと、お酒を飲んだ後ではなく、飲む前に摂取しておくことが必要となります。