にんにくの効果効能、黒酢にんにくの効果効能のひとつに「がん防止・抑制」というものがあります。にんにくでがん防止・抑制が期待できる理由について解説します。
1.にんにくによるがん予防・抑制効果の仕組み
にんにくががん予防、がん抑制の効果があることは、1990年のNIC(アメリカ国立がん研究所)がにんにくが「癌(がん)予防に有効な成分を含む食品」で1位にランク付けするなど様々な論文や研究報告が行われています。
ただし、そのメカニズムが完全に解明されているというわけではなく、予防や抑制の効果が期待できるという段階であり、研究段階のものと考えておくと良いでしょう。しかしながら、様々な角度からにんにくのがん予防・がん抑制の仕組みがわかってきているのです。
にんにくのがん予防・抑制効果の仕組み
- 発がん性物質を代謝・解毒する作用 → がん細胞の発生を阻止
- がん細胞化した細胞を死滅させる作用 → がん細胞の増殖を阻止
- 免疫機能を高める作用 → がん細胞の排除を促進
2.発がん性物質を代謝・解毒する作用
にんにくに含まれるイオウ化合物は、肝臓の解毒機能を活性化させる作用があります。ジアリルスルフィド(DAS)、ジアリルジスルフィド(DADS)、ジアリルトリスルフィド(DATS)、S-アリルシステイン(SAC)というイオウ化合物に肝臓の解毒機能を活性化させる機能が報告されているのです。
肝臓の解毒機能が活性化することで
- 発がん性物質を解毒する
- 発がん性物質の活性化を抑制する
ことが行われ、がん細胞の発生を阻止するのです。
3.がん細胞化した細胞を死滅させる作用
にんにくに含まれるジアリルジスルフィド(DADS)、ジアリルトリスルフィド(DATS)、アホエンといったアリルスルフィド類には、がん細胞を死滅させる効能があると実験で報告されています。
がん細胞を死滅(アポトーシス誘導)させてしまえば、それ以上に分裂・増殖を繰り返さないため、がんの進行を遅らせる効果が期待できるのです。
4.免疫機能を高める作用
がんを抑制する機能が人間にはもともと備わっています。それが免疫機能のNK細胞(ナチュラルキラー細胞)という細胞です。NK細胞(ナチュラルキラー細胞)はガン細胞を見つけるとすぐに排除します。
にんにくに含まれる硫黄化合物、とくにS-アリルシステイン(SAC)はこのNK細胞の働きを活性化させる作用があるのです。
まとめ
にんにくには
- 発がん性物質を代謝・解毒する作用 → がん細胞の発生を阻止
- がん細胞化した細胞を死滅させる作用 → がん細胞の増殖を阻止
- 免疫機能を高める作用 → がん細胞の排除を促進
という3つの作用が期待され、がんの予防、抑制に効果があると考えられているのです。
にんにくのがんの予防、抑制効果はがんの中でも、「胃がん」と「大腸がん」で多くの研究結果が報告されており、効果が期待できるものと言えます。一方、「乳がん」と「肺がん」などでは効果が期待できないという報告もあるのです。