にんにくの効果効能、黒酢にんにくの効果効能のひとつに「コレステロール値の低下」というものがあります。にんにくでコレステロール値の低下が期待できる理由について解説します。
1.コレステロールには悪玉と善玉がある
悪玉コレステロールというのは、コレステロールを体内に供給してくれます。
一方、善玉コレステロールは、体内に蓄積されたコレステロールを排出します。
コレステロール自体は、身体に必要な成分ですので、悪玉コレステロールが悪いというものではないのです。役割が違うのです。
しかし、善玉と悪玉のバランスが崩れてしまう、たとえば悪玉が多くなりすぎてしまうと、排出する善玉コレステロールよりも、体内に供給される悪玉コレステロールの方が多くなり、体に残ってしまうのです。
体内に残ったコレステロールが血管内で活性酸素と結びつくと過酸化脂質になり、さらにそれを排除するためのマクロファージの死骸が血管内に溜まってしまうのです。これをプラーク(固い塊)と言います。
プラーク(固い塊)によって血管が固くなり、細くなることで動脈硬化や心筋梗塞につながってしまうのです。
2.にんにくのコレステロール低下の仕組み
コレステロールの合成を抑制
にんにくに含まれる「S-アリルシステイン」「アホエン」「ビニルジチイン」といった成分にはコレステロールの合成に必要な補酵素(HMG‐CoA合成酵素、HMG‐CoA還元酵素等)の働きを妨げます。その結果、コレステロール自体が作られる合成を抑制する作用があると考えられているのです。
血中のコレステロールの減少
にんにくに含まれる「アリイン」が変化する「ジアリルジスルフィド」や「ジアリルトリスルフィド」といった硫黄化合物は肝臓に貯蔵されたコレステロールを胆汁へ排出させる機能があります。結果として、血液中に供給されるコレステロールを減らす効果があり、血中コレステロールの減少効果が期待できるのです。
3.にんにくのコレステロール低下の研究結果
ニンニクを4-25週間投与
- 総コレステロール値が4-12%低下
- 悪玉コレステロール(LDLコレステロール)は改善される傾向
- 善玉コレステロール(HDLコレステロール)は改善しなかった
1日600-900mgのニンニクパウダーを3-6ヶ月摂取。
13試験中
- 10試験:ニンニクのコレステロールが低下
- 3試験:効果なし
まとめ
にんにくに含まれる成分が
- コレステロールの合成を抑制
- 血中のコレステロールの減少
という2つの作用により
悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を減らし、結果として総コレステロール値も低下される効果が研究からも明らかになっています。
運動不足やコレステロールの多い食生活の方ほど、動脈硬化や心筋梗塞を防ぐためににんにくの摂取によるコレステロール値の低下を意識すべきでしょう。